ソフトテニス観戦記

ソフトテニス観戦記、コラム

【格付け】日本ソフトテニス界で今最強の前衛は?勝手に格付けしてみた

後衛の格付け書いたら意外と反響あったんで半年前にも書いたけど更新。

網羅しようとすると多すぎるんで、入ってない選手もいます。ご了承。

ランク

S 上松
A+長江 中本 柴田
A 広岡 鈴木 九島 内田 高月
B 安藤 丸山 松本 林湧 林大


Sランク(日本最強クラス)

○上松俊貴

高一でシノコバ倒した日本ソフトテニス界の最終兵器

東日本インカレでやらかして、天皇杯は謹慎開け一発目の大会だし本調子じゃないだろうなーって思ってたらあっさり優勝

反射神経鬼、ボレースマッシュミスらない、ストロークは船水颯人に対抗できるほど、地味にリーチもある(181cm)...

うーん、スキがない選手になってしまった。広岡選手が鬼のように伸びない限り10年は最強前衛として君臨するんじゃない?

A+ランク(日本代表クラス)

○長江光一

元祖オールラウンダー。ストロークが後衛より上手い選手のはしり。

未だに日本トップクラスなんだけど、昨年の試合見る限りちょっとだけ陰りがみえてきたかなあ。

二年前くらいのソフトテニスマガジンで全盛期でいられるのはあと数年って書いてたけど、本音なんだろうね。

○中本圭哉

昨年は東日本、全日本社会人、世界選手権優勝と往年の輝きを取り戻してきた。
だけど俺は知ってるよ!全盛期の中本選手はもっと凄かった!

全盛期のプレーは多分歴代ナンバーワン。上松選手や高川選手ですら及ばない神がそこにはいた。

鈴木選手とのダブル前衛も大分馴染んできたけど、船水選手とのペアをみて雁行陣でもっと見たいと思った人は多いはず。

○柴田章平

中学生時代のこの人のスマッシュを見て自分の才能に見切りをつけたよ。

今でもスマッシュの技術力は一番じゃない?

インドアで輝くオフェンスの人。今年も体育館で無双してくれ!

Aランク(日本トップクラス)

○広岡宙

荒削りだった高校時代から、NTTに入り完成度が上がって手がつけられなくなってきた選手

順調にいけば上松選手と共に前衛2強として君臨する予定。

○鈴木琢巳

昨年は世界選手権決勝でパワースマッシュを見せ付け大暴れ。

パワーは半端ないのにしなやかに動けるインチキな身体能力を持った人

○九島一馬

最近は実力の割に活躍できていないイケメン

顔面偏差値は間違いなくソフトテニス界随一

○内田理久

同世代に上松選手、下に広岡選手がいなければスターになっていたある意味不幸なひと

今年は世界選手権代表予選会で優勝したものの、不正の方が話題の中心になってしまった

○髙月拓磨

どこまでも追い続けるポーチボレーと驚異的な反射神経が特徴

昨年は日本リーグで広岡・長江にまさかの大逆転負け。
掴みかけていた優勝を逃し、肩を落とすその後ろ姿は、観戦したものの目に焼き付いた。

Bランク(日本準トップクラス)

○安藤圭佑

安藤兄弟の兄

昨年は天皇杯で弟とペアを組み準優勝

東京ガスに安藤弟のペアになる前衛が不足している事を考えると、個人戦には兄弟ペアで今年も出て欲しいなあと思う

○丸山海斗

天才

センスは日本一だと思う

なかなか活躍できなかったのは・・うーん・・・

大学卒業後は内丸再結成してくれないかなあ。
全盛期が高校時代だったなんていやだよね。

○松本倫旺

昨年は悲願のインカレ優勝

大学入って一番伸びた選手だよね

○林湧太郎

NTTに入った今年は日本リーグで林田柴田以外には全勝と大活躍

先輩の広岡選手に続きこれからの日本を担っていく若手有望株

○林大喜

後輩の方の林選手に話題を取られてるけど、当然実力は日本トップクラス

今年こそは大活躍を期待


まとめ

さっくりまとめてみた。意見ある人はツイッターでもここでもどしどしコメントください

【格付け】日本ソフトテニス界で今最強の後衛は?勝手に格付けしてみた

はい、こんにちは。

今回は日本ソフトテニス界の後衛を格付けていきたいと思います。相変わらず、ずうずうしくいきます。


誰が一番かを明確に決めづらい前衛と違って、後衛は日本史上最強との呼び声も高い選手がいます。


一番はわかりきってる。ただ、それ以外の選手は群雄割拠でやはり格付けは難しいです。


ソフトテニスはダブルスが基本なんで、ペアによっても成績は左右されるし、個人としての強さがシングルスが基本の硬式と違ってわかりづらいんですよね。


ソフトテニスでも硬式みたいに日々の大会結果によって変動するランキングを導入したら面白くなるんじゃないかと思うんですけど、ペアもころころ変わるから難しいかなあ。


ペアの成績をもとに個人としてのランキングをだすとかも考えられるんで、検討はしてもらいたいですけどね。
(ちなみに全日本ランキングは一年に一回更新という形で存在していますが、あんまり実態を反映してない気がする)

とにかく、格付けとか、ランキングってみんな結構好きだと思うんで、うまく作れたら盛り上がると思うんすよ。

誰々より誰々がつよいとか、いや、雁行陣ならあいつのほうが上だとか、議論の指標になるじゃないすか。

ソフトテニス界は選手との距離も近いから、失礼だと思う人もいるかもですが、単純にみんなが興味持ちそうな事はやっていった方いいですよね。



前置きはここまでで、本題にいきます。

ランク

S  船水颯人
A+ 安藤 内本 増田 丸中
A 上岡 林田 船水兄 桂
B 長尾 村田 村上 瀬口
C 本倉 阪本 山根

  

Sランク(国内最強クラス)

○船水颯人


これはもう異存なしですね。

日本初のプロソフトテニスプレイヤーであり、全日本シングルス3連覇中の絶対王者です。

ダブルスの成績も、18年度は東日本選手権、天皇杯を制し、19年度は初出場となった社会人選手権で中本選手との話題のペアで見事優勝、そして、天皇杯二連覇と実力を如何なく発揮しています。

このブログでも散々船水選手の凄さは取り上げてきたのですが、プロとなった今年度からは特に凄みが増してきています。

船水選手の強力なテクニックは挙げていけばキリがありません。

卓越したフットワーク、レーザーのようなフォアハンド、繊細なロビング、タイミングを自在に操れるストロークetc...

しかし、本当に他の選手と差別化できているところは勝負強さです。

去年の世界選手権予選で足を攣りながら望んだ上松選手との決勝、同チームである安藤・内田に追い詰められた天皇杯、3連覇がかかった全日本シングルス、プロとなってからは初の大きなダブルスの大会である社会人選手権に天皇杯、そして世界選手権の決勝・・・

重要な大会の重要な局面では必ず勝利を収めてきています。

あと数年、並ぶ存在は国内からはでてこないんじゃない?
それほど絶対的な存在として船水颯人選手は君臨しています。

A+ランク(日本代表クラス)

○安藤優作

船水颯人選手とは同期である安藤選手。 

昨年はインカレ優勝、今年は天皇杯で準優勝し、実力に実績が追いついて来た感があります。

ふところ深くまで溜めてから打たれるストロークは先読みが非常にしづらく、天皇杯ではあの柴田選手が安藤選手の打球をまったく捉えられない状況に陥っていました。

間違いなく日本を代表する後衛の一人ですが、問題があるとすれば、東京ガスでよい前衛に巡り会えるのだろうか、というところです。
天皇杯はお兄ちゃんと組んでたしなあ・・・


○内本隆文

豪打といえばこの人。

深く腰を落としたお手本の用なフォームから放たれるフォアハンドストロークの威力は国内屈指であり、厳しいコースに打たれたボールも回り込んで自分の打点で打つことができる強靭な足腰も兼ね備えています。


一時期は伸び悩んで来た感がありましたが、今年は代表予選会で船水・上松を破り優勝し、天皇杯でも三位に食い込みました。


船水選手の対抗馬としては真っ先に思い浮かぶ選手でもあり、国内では数少ない、船水選手と正面から打ち合える選手です。

プロへの道もあり得るか?

今年卒業だけに進路が気になる選手です。

○増田健人

高身長のオールラウンダー。

オーバーハンドのサーブは海外含めても屈指の威力を持ち、シングルス、ダブル前衛もこなす繊細な技術力を備えています。


昨年はダブルス、シングルスともに不本意な結果でしたが、実力はいまだ日本代表クラスといえるでしょう。


ちなみに熱烈なファンがいることでも有名で、youtubeにてその姿がうかがえます。


○丸中大明

前衛とするのか後衛とするのか迷う人。

というのも、高校時代からほぼ一貫してダブル前衛として活躍する、平衡陣のスペシャリスト。

丸中・長江という、社会人では最強のペアの実績からその活躍ぶりが見て取れます。


ボールタッチの繊細さは日本でも指折りであり、本当に華麗なプレーをみせてくれます。

もちろん、純粋なストロークの威力も抜群。一昨年のキムドンフン戦での打ち合いは後衛センスの高さを伺わせるものでした。


Aランク(日本トップクラス)

○上岡俊介

A+と迷った。
この歳にしてその位恐ろしい実力の選手。


ベースラインから下がらずに早いテンポで打たれる強力なストローク、ダブル前衛にも対応できるネットプレー、追い込まれても揺るがないメンタル...この世代の後衛としては抜群の完成度を誇っています。


同期にはインハイチャンピオンの阪本選手や、山根、北本、高倉選手とハイレベルな後衛が揃っていますが、それでも上岡選手の実力は頭二つくらい抜けているでしょう。


インカレでは最強前衛である上松選手を倒せるか、期待がかかります。


○林田和樹


内本選手を超える超豪打。

そして、何故か繊細なネットプレーまでこなし、インドアでは無類の強さを発揮する林田選手。


外ではインドアほどの安定感は見られないものの、三年連続天皇杯ベスト4は流石の実績です。

去年のインドアでの強さがいつも見られれば文句なしの日本代表でしょう。


○船水雄太

船水颯人選手のお兄ちゃん。
日本を代表する兄弟プレーヤー。 


最近は弟に話題を取られ気味ですが、人気も実力も当然まだまだ衰えていません。


ハードコート以外で船水颯人選手とまともに打ち合えるのは安藤選手、内本選手と船水雄太選手くらいだと思うんですが、何故かコロッと負けたりすることが多いのです。 


そろそろ一花咲かせてほしいんだけど・・・


○桂拓也

2013年の天皇杯チャンピオン。

貴重なサウスポー後衛。

ボールに細工でもしてんの?ってくらい回転の掛かった中ロブと、強力なフォアハンドは唯一無二。

しかし、やっぱ学生時代のほうがすごかったよなあ・・・


Bランク(準トップクラス)

○長尾景陽

去年はついにインカレチャンピオンに輝いた長尾選手。

純粋にうまいなーすごいなーって気分にさせられるプレーです。

卒業したらどこいくんだろ?


村田匠

NTT期待の若手。

フォアハンドの威力がすんごくて、僕のなかでは内本、林田、村田選手は豪打三人衆ってことになってます。

この先ダブル前衛とかにも挑戦するのかな?

あんまり想像できないけど


○村上雄人

はい、村上さん。

この人は不思議な選手で、同世代に鹿島選手や石川選手っていう強力なライバルがいて、いつも二番手、三番手な扱いな気がするのに、インハイも全日本社会人も天皇杯もきっちり取ってる勝負強さ。


シルバーコレクターってよくいわれるけど実は全然シルバーコレクターじゃない。
優勝もめっちゃしてるけど二位が多いだけ(それをシルバーコレクターと言う)


純粋な後衛としては体格も小さいし、他のトップどころと比べたらそこまでではないのかもだけど、ダブル前衛も織り交ぜて戦うプレーの幅の広さは日本一だと思う。


水澤・村上が色んな陣形で戦うの好きだったなあ。


中学生のころは柴田選手と組んでブイブイいわせてたけど、そのころからペアの方が有名になる法則がある気がする(柴田選手、中本選手などなど)


というか、実績のわりに人気がいまいち。
 

でもぼくはそんな村上選手が大好きなので、まだまだ引退せずがんばってください。


○瀬口翔太

最近多い、高校→実業団入りする選手の先駆け。

どっちかっていうとシングルスの印象が強いかなあ。


Cランク(大学トップクラス)

○本倉健太郎

貴重なサウスポー後衛その2

超オーソドックスな腰を深く落としたフォームからの強力なストロークが武器。

めっちゃ良い人感でてる素朴な顔が印象的


○阪本選手、山根選手

まとめて。

上岡世代ではこの二人が上岡選手に続く存在。

特に阪本選手は大学入って化けたなあって印象。

今年のインカレでは主役になるはずなので、要注目。


まとめ

最後の方は適当になったけど、こんな感じでぼくはみてます!

ランク付けを勝手にするのはやっぱり楽しい!

NHKの天皇杯決勝録画放送は本当に価値があるの?あと、こんなソフトテニスの大会があったら理想

はい、天皇杯でのNHK、台風問題と理想の大会の話です。



今年の天皇杯は台風直撃だったこともあり、選手達は大荒れの中試合を行う必要がありました。


予備日はあるはずなのになぜ延期がなされなかったのか?



その理由がNHKによる決勝戦の撮影に合わせた事は容易に想像がつきます。



NHKでの放送は録画で一週間遅れでの放送です。


時間枠も決まっているため試合の大半はカットされる事は決定的でしょう。



そしてなにより、NHKの撮影のため、いつも試合を撮影していただいている有志の方々は締め出される事になりました。





話は変わりますが、今から15年程まえは、YouTubeソフトテニスの動画などほとんどなく、大会に行かない限り、選手達のプレーはソフトテニスマガジンを読んで想像するほかありませんでした。

それこそ、天皇杯の録画放送とケーブルテレビでの放送でしかソフトテニスの試合を動画で見る事はできなかったのです。(ほとんどボールが目視できない放送もいっぱいありました。)



それを変えたのは、メリットがほとんどない中、身銭を切って試合動画を撮影し、YouTubeにアップしてくれる有志の方々でした。


はっきり言って、この方々がいなかったらソフトテニスの試合を日常的に見ることはまず不可能であり、ソフトテニス人気への貢献はNKKでの放送よりはるかに、はるかに高いはずです。


そーいう方々を締め出して、NHKの録画放送で天皇杯の決勝戦をやる必要あります???


トップ選手達を台風の中試合させてまでNHKに撮影させる必要あります???



自分にはさっぱりわかりませんね。



もちろん、NHKで放送されるメリットはめちゃくちゃあるとは思います。
やっぱり地上波に載る事はでかい。


でもね、デメリットが圧倒的に上回ってるんですよ。
今の時代、国内最高峰の試合をライブで見られない競技なんてどれだけあります???


ソフトテニス界はもう変わらなきゃ行けないんですよ。

少子化により中学校でソフトテニスに触れる子供たちが少なくなり、プレー人口がどんどん減ってきている。
硬式テニスに取って代わられる学校も多い。

そんな中、時代に残るために必死に知恵を出して競技の存続を図る必要がある。



そんな時にね、トップクラスの選手達を雨風に晒して試合をさせて、


国内最高峰の試合を録画でしか放送しないなんて事が許されるんすかね。



○雨風の問題とインドアでの試合


NHKは一旦置きます。

天皇杯の開催は毎年10月ということもあり、台風直撃やら強風やらに襲われることが常です。

ちょっとでもやったことある人なら分かると思うんですが、ソフトテニスは風にめちゃくちゃ影響されます。

強風ではトスもまともにあげられないし、ロブははるか彼方に飛んでいきます。

天皇杯で試合が成り立っているのは、あそこで試合してる選手達が超人だからです。


やっぱりね、トップクラスの試合は天候に左右されないインドアでやるべきだと思うんですよ。

インドアでならば、天候に左右されないのももちろん、観客席があり、なにより打球音が響き渡り最高の環境で観戦ができます。


会場の使用料とか、集客とか、難しい事はたくさんあるんでしょうけど、冬だけじゃなくて夏でもインドアの試合を増やしてほしいなあと。

そして、できれば天皇杯に並ぶくらい権威のあるインドアの大会を作って欲しいです。



○どんな大会なら理想?

完全妄想です、

会場は観戦しやすい体育館。

例えば、今年の東京インドアが行われた駒沢オリンピック公園体育館は適度に狭く、どの観客席からも試合が観やすかったです。


出場選手は天皇杯王者、東日本西日本選手権の優勝者、インカレチャンプ、インハイチャンプ、推薦2ペアの計8ペア。
東京インドアと近いですね。

今年でいうと、
天皇杯王者  船水・上松
東日本王者  中本・鈴木
西日本王者  丸中・長江
インカレ王者 長尾・松本
インハイ王者 白川・石川
推薦ペア   内本・内田
推薦ペア   安藤・安藤

こんなんになります。

トーナメント1回戦は9ゲームマッチ、準決勝以降は7ゲーム3セットマッチで行う。

同時進行で試合はせず、一試合ずつ進行する。



・・・



めっちゃ面白そうじゃないすか?

自分だったら10000円払っても見に行きますし、毎年の東京インドアの盛況ぶりみてたら十分人なら集まると思うんだよなあ・・・

2019年天皇杯レビュー 絶対王者誕生の瞬間

はい、今回は2019年の天皇杯レビューです。


結果はこちら


優勝  船水・上松
準優勝 安藤・安藤
第三位 内本・内田
    林田・柴田
第五位 村上・林
    桂 ・高月
    山本・池口
    鹿島・井口



えー、色々注目すべき点はあるんですけど、まずはこちら。



絶対王者誕生の瞬間

波乱はいくつかあったものの、大方の予想通り船水・上松ペアが二連覇を達成しました。


二連覇を達成したのは、北本・斉藤、中堀・高川、シノコバに続く4ペア目であり、シノコバが2012年に達成して以来7年ぶりの快挙です。


近年絶対王者と呼ばれ、一時代を築いてきた中堀・高川、シノコバは天皇杯連覇を達成しており、ついに船水・上松ペアもそこに並んだわけです。
(北本・斉藤は時代を築いたとまでは言いませんが、世界チャンピオンとなり、現役引退直前まで活躍したスペシャルなペア。)


船水選手は既に日本シングルス選手権を3連覇しており、絶対王者の地位を築いていましたが、「ダブルスプレーヤー」としてもその地位を盤石のものとしました。


また、今回はそれだけではありません。

こちらのツイートでも言及しましたが




今大会総失ゲーム数7


これは確認できる限り天皇杯史上最高記録であり、如何に今船水・上松ペアが突出した存在であるかを示していたと言えるでしょう。

今大会は台風の影響もあり、丸中・長江をはじめとする有力なペアが序盤で姿を消す波乱が見られました。

ぶっちゃけ、台風の予報が出た時点で船水・上松はかなり不利になると思ったんすよね。

基本的には雨風が激しいときはロブを使う事なく、早い展開で決められるダブル前衛が有利です。

実際、2年前の天皇杯では、船水・上松は雨風の中苦戦し、シノコバに敗れました。

それを踏まえると、今回も丸中・長江、中本・鈴木、または増田・九島のようなダブル前衛を主軸とするペアにとって有利であり、船水・上松は厳しい戦いを強いられると予想してました。


しかし、船水・上松の安定感は群を抜いており、ピンチどころか3ゲームを取ることができるペアすら存在しない結果に。


また、準決勝、決勝では難敵になると予想されていた早稲田勢である、内本・内田、安藤安藤すら一蹴しています。


正直、全盛期の中堀・高川やシノコバでもここまでの安定感を持っていたかは疑問です。


戦いぶりも圧倒的です。
準決勝の村上・林戦を見返しましたが、村上選手がどんなにパッシングをしても船水選手は拾い、ボールが甘くなればすぐさま上松選手がポーチを決める。
では先に攻めればと前衛アタックを仕掛けても、反射神経がチートの上松選手には通用しません。
林選手もかなりポーチを決めてはいたのですが、地力の差が如実に出た試合となっていました。



特別な戦術は必要なく、ただただ強い



船水・上松は、確実にこれからの日本ソフトテニス界を引っ張っていく「絶対王者」となりました。



今このペアを倒し切る選手は日本国内に存在しないでしょう。


○早稲田黄金期揃い踏み

船水・上松だけでなく、内本・内田、安藤・安藤がベスト4に、長尾・松本がベスト8に入り、早稲田黄金期が揃い踏みとなりました。


得に、船水颯人選手vs安藤優作選手の同い年決勝には熱くなったファンも多かったでしょう。

この世代の早稲田は本当に傑出した才能を持つ選手が集まっており、インカレチャンピオンにもなった長尾・松本や、天皇杯チャンピオンの星野選手が一時期は控えに回るほどの選手層を誇っていました。

天皇杯では意外と上位に入る事は少なく、船水・星野が2016年にチャンピオンになったくらいだったので、今回は黄金期の実力をいかんなく発揮したと言えるでしょう。


惜しむらくはここに星野選手がいないこと。
社会人になってからの復活が待たれます。


○ベスト8が雁行陣だけに

非常に久しぶりにベスト8が雁行陣のペアだけになりました。調べていませんが、もしかしたら日本でダブル前衛が導入された2005年以来かもしれません。

上でも書いたとおり、今回は台風直撃であり、ダブル前衛有利かなーっと思ったのですが、丸中・長江、中本・鈴木といった有力なダブル前衛が序盤で姿を消し、三日目に残った増田・九島も敗退しました。

ダブル前衛が有力な戦術としてトップ選手に広まって随分立ちますが、いまだ絶対的な強さを誇るのは日本ではシノコバ位しか出てきていません。

戦術が研究され、インドア以外ではそこまで優位性があるわけではなくなったと言う事ですかね。

○鹿島・井口ベスト8入り

久々に鹿島選手がベスト8に残りました
なんと2009年にベスト4に入った以来10年ぶりです。

2008年に大学2年生で天皇杯を制した鹿島さんも、社会人になってからは苦戦が続き、今年度ついにヨネックスを退社しました。


学生として活躍できても、社会人になった途端練習環境の変化から活躍できなくなってしまう選手は多いです。


鹿島さんもそのひとりだったのですが、故郷宮崎に帰ってから調子を取り戻し、ついに天皇杯ベスト8まで戻ってきました。

ファンとしては、全日本社会人選手権に引き続き活躍が見れ、嬉しい限りです。


○山本・池口ペアが高校生最強を証明

インハイでは思うような結果が出なかった高田商業大将ペアの山本・池口ですが、ベスト8に食い込んできました。 
しかも、上岡・三輪を倒し、内本・内田ペアをあと一歩まで追い込む大活躍となりました。

尽誠学園の白川・石川、米川・大辻と共にこの世代最強はどのペアか議論されていましたが、やはり山本・池口が頭一つ抜きん出ていたかなあというのが今シーズンの印象です。

○台風の影響とNHK録画放送と撮影禁止

今年度も、NHKによる録画放送がある影響で、決勝戦の撮影は禁止になりました。

また、撮影があるためか、台風が直撃している中予備日を活用することなく競技を続行し、プレーに大きな影響を与えました。

この件についてはほんと、議論して欲しいところなので別に書きますが、とりあえず運営は選手ファーストを撤退して欲しいです。


○まとめと世界選手権に向けて

台風直撃、波乱の展開の中絶対王者が誕生しました。

プロとしての重責を払いのけるような活躍をみせる船水選手。そして、ペアとしての責務をきっちり果たした上松選手。

一方、代表組の中本・鈴木、丸中・長江は不本意な結果に終わりました。

不安と期待を抱えながら、今週末の世界選手権が始まります。

【予想】2019 ソフトテニス天皇杯 予想 ~その地位を盤石にすることができるか~

はい、今回は2019年度天皇杯の予想です。

 

トーナメントはこちら

 

http://www.jsta.or.jp/wp-content/uploads/2019/10/alljapan2019_drow_men_b.pdf

 

いろいろ論点も多いのですが、予想の前に、まず近年の天皇杯の結果を振り返ってみます。

 

 〇直近10年の優勝ペア

2018  船水・上松

2017 村上・水澤

2016 船水・星野

2015 シノコバ

2014  水澤・長江

2013 桂・高月

2012 シノコバ

2011 シノコバ

2010 中堀・高川

2009 中堀・高川

 

 

〇直近5年のベスト4

   

2018 優勝  船水・上松(早稲田大)

    準優勝 中本・鈴木(福井県庁) 

    3位  林田・柴田 章平(ヨネックス)

       村田・広岡(NTT西日本広島)

 

2017 優勝 水澤・村上(NTT西日本広島)

   準優勝 丸中・長江NTT西日本広島)

   3位 上岡・広岡(上宮高)

      篠原・小林(日体桜友会/ミズノ)

 

2016  優勝 船水・星野(早稲田大)

   準優勝 水澤・長江(NTT西日本広島)

   3位  林田・川淵(ヨネックス)

       村上・林(NTT西日本広島)

 

2015 優勝 篠原・小林(日体桜友会/ミズノ)

   準優勝 村上・中本(NTT西日本広島)

   3位  船水・星野(早稲田大)

       内本・丸山(上宮高)

 

2014 優勝 水澤・長江(NTT西日本広島)

   準優勝 増田・柴田(和歌山県庁/同志社クラブ)

   3位  丸中・鈴木(中央大)

       十津川・木川(中央大)

 

ツイッターでも言及したのですが、シノコバ以外ではここ10年NTTと早稲田のどちらからのみ優勝ペアが誕生しています。

ベスト4にはちらほら他の勢力も入るんですけどね。さすがNTTと早稲田。今のソフトテニス界では二大勢力と言っていいでしょう。

 

 

あと、こうして過去の戦績を振り返ってみていると、世代交代の流れがよくわかります。

 

2010年に長年日本をけん引してきた中堀・高川ペアが引退し、本格的にシノコバの時代へ。

 

シノコバは2011,2012と連覇して最盛期へ。

2013にはアジア選手権で個人金メダルを獲得しています。

 

2014年ごろからだんだんシノコバが勝てなくなっていき、群雄割拠に。

 

すでにシングルスではスター選手であった船水颯人選手が早稲田に行き、同じく世代を代表するスタープレーヤーであった星野選手とペアを組み、2015年からダブルスプレーヤーとしても本格的に台頭。

2016,2018と「違うペア」で天皇杯を制し、船水時代に突入。

 

 ちなみに、船水選手が大学に入って以降、船水選手を天皇杯で倒すことができたのはシノコバだけだったんですよね。

2015年、2017年ともに単純な実力だったら既にシノコバを上回っていたでしょう。

しかし、シノコバにだけは勝てなかった。

 

 そのシノコバも2010年に引退寸前の中堀・高川ペアに圧倒され、優勝を逃しています。

 

世代交代にあらがうスターと、時代を切り開いていく新しいスター。

天皇杯はそういった思いと思いが一番強くぶつかる大会なのかもしれません。

 

中堀・高川が引退して初めての天皇杯で優勝したシノコバと、シノコバが引退して初めての天皇杯で優勝した船水選手は重なって見えます。

 

ただ、ペアとして時代をけん引した中堀・高川、シノコバと違い、今、船水選手は一人でソフトテニス界を引っ張っています。

そういう意味で、歴代のどの選手とも比べ物にならないプレッシャーを今船水選手は感じているのかもしれません。

 

船水選手はシングルスプレーヤとしては圧倒的な成績を残しています。

しかし、ダブルスは、全盛期のシノコバ、中堀・高川と比べると若干物足りなさがあり、ダブルスプレーヤーとしての地位はまど盤石とはいえないかな?と考えています。

 

 

シノコバは初優勝後、2連覇し、その地位を盤石のものとしました。

 

さて船水選手はどうなりますか・・・

 

 

〇予想

 

第一ブロック

 

本命 船水・上松

対抗 小栗・大友、北本・丸山、品川・早川

大穴 村上・林

 

 

ここは、昨年の優勝ペアであり、大本命の船水・上松ペアが固いでしょう。

 

対抗しうるペアとしては、まず、北本・丸山ペア。恐らく初日に激突しますが、船水ペアがまだコンディションの整っていない状態で戦った場合、一番危険度の高いペアだと思います。

丸山選手は高校時代は内本選手とのペアで天皇杯ベスト4にも入った天才前衛です。

国内では数少ない船水選手の緩急に付いていくことのできる前衛だと思っています。

また、反対ブロックの小栗・大友も、実業団選手権で丸中・長江を倒すなど、今年度は期待のペアです。

 

大穴は村上・林ペア。村上選手は2017年度の天皇杯優勝選手ですが、年齢故か、そこで燃え尽きてしまったのか、それ以降はぱっとしない成績が続いています。

個人的には大好きな選手なので、大判狂わせを期待しています。

 

その他には、トヨタ自動車の瀬口選手や、高田商業の中別府・永江、関西大学の坂本・飯田ペアなどが注目。

 

第二ブロック

 

本命  船水・広岡

対抗 長尾・松本、上岡・三輪、中平・米澤

大穴 内本・因、伊藤・榊原

 

激戦区の一つである第二ブロックは、なかなか予想がつきません。

船水(兄)は最近調子を取り戻してきており、全日本社会人選手権でも良いプレーを見せていました。広岡選手は去年もベスト4に進出しており、調子に左右されないプレーをすることができます。

順当にいけば船水・広岡が固いか?

 

対抗は、インカレ優勝の長尾・松本と、大学勢屈指の実力を持つ上岡・三輪、中平・米澤。

大穴の内本・因と合わせて大学勢では最強ともいっていい勢力がそろっています。

 

また、ヨネックスの伊藤・榊原や、高校勢最強の一角、山本・池口、米川・大辻も勢いによっては上位進出が伺え、このブロックは大激戦が予想されます。

 

 

第三ブロック

 本命 丸中・長江

対抗 林田・柴田

大穴 塩崎・花田 本倉・斎藤

 

ここは順当にいけば丸中・長江が固いでしょう。昨年は桂・高月倒されましたが、最近は調子も安定してきており、このブロックの他のペアとは一段上の実力だと感じます。

 

対抗はインドアの王者であり、昨年ベスト4の林田・柴田。インドアシーズンは圧倒的な成績を残しましたが、屋外ではパっとしません。勝負のカギは林田選手の調子次第でしょう。インドアシーズンの調子を維持できれば優勝も夢ではありません。

 

大穴の塩崎・花田や本倉・斎藤、インハイ優勝の白川・石川、全日本で増田・柴田を破った鬼頭選手、元スターペアの鹿島・井口、伝説の高田商業ダブル後衛的場・宮下など、面白いペアがたくさんいるので、個人的には一番注目のブロックでもあります。

 

 

第四ブロック

 

本命 中本・鈴木

対抗 村田・林、安藤・安藤、増田・九島

大穴 桂・高月、松本・菅野

 

 

第二ブロックに続き激戦区ですが、中本・鈴木が出てくると思います。天皇杯は毎年風が強いことが多いのでダブル前衛であることも有利に働くでしょう。

 

対抗の村田・林は若手ではトップクラスの実力ですが、まだ厳しいか・・・。社会人になって復活した兄弟ペア、安藤・安藤も注目です。また、増田・九島にはそろそろ活躍してもらいたいところですが、最近の試合を見ているとやはり厳しいですかねえ。

 

大穴は元天皇杯優勝ペアの桂・高月と先の社会人選手権でベスト4に入ったベテラン松本・菅野ペア。桂・高月も、もう一回くらい派手な成績を期待しますが・・・

 

あと、ワタキューの北野選手と日体大の星野選手がペアを組んでいます。二回戦では羽黒の澤田・荒木ペアと激突する可能性もあり注目です。

 

その他では元インハイ準優勝の花岡・増田、社会人勢の荒尾・越智、西川・中原などが見どころ。

 

 

上位予想

 

ベスト8

 

船水・上松

小栗・大友

船水・広岡

長尾・松本

丸中・長江

林田・柴田

中本・鈴木

村田・林

 

ベスト4

 

船水・上松

船水・広岡

丸中・長江

中本・鈴木

 

準優勝

 

丸中・長江

 

優勝

 

船水・上松 

 

 

こんなところですかね!

 

やはり大本命は船水・上松、対抗一番手に丸中・長江の構図は変わらないでしょう。

あとは当日、強風や雨等のコンディションできまるかなあと。 

 

 

船水選手はプロとなって初めての天皇杯を優勝で飾れるでしょうか。

 

または、丸中・長江ペアがそれを止めるのか。

 

はたまた、他のペアが優勝をかっさらっていくのか・・・

 

 

 

 

【レビュー】2019年全日本社会人選手権

全日本社会人選手権が終わりました。
結果は以下のとおり

優勝
船水・中本

準優勝
青木・臼井

ベスト4
丸中・長江
船水・中本
青木・臼井
松本・菅野

ベスト8
丸中・長江
箱田・夏見
船水・中本
船水・広岡
青木・臼井
村田・林
松本・菅野
小栗・大友


予想は、まあ半分くらいは当りました。
後半のブロックは波乱が多く読めませんでしたが、前半のブロックはおおむね予想通り。

面白いポイントは色々あったので、それぞれ書いていきます。



○船水颯人強すぎ

中本選手とのペアはドリームタッグであるものの、急造ペアのためコロッと負けることもあり得るかと思ってたけど、危なげなく優勝。

一応苦戦したのは準々決勝の船水・広岡戦ですね。
船水兄がかなり調子良かったため、前半はストローク戦で押され、リードを許しました。

でも、押されても前衛に捕まらないんですよね。
良いボールを打ち込んでこられてもロブで交わすし、ミスがないからそのうち相手が根負けする。

中盤以降も要所では絶対にミスをしませんでした。
逆に、船水兄は打ち勝ってる場面もあるのに勝負所ではミスを重ね、チャンスを逃しました。

ある意味で、これがプロと、それ以外の差なのかもしれません。

相手がどんなに調子よくても、自分からは崩れない。船水颯人選手の主要な大会での勝負強さはここ最近異常なレベルです。

しかも、船水選手はあと、一つ二つギアを残したまま優勝したかなーと。
去年アジア競技大会でキムジヌンと死闘を繰り広げた時みたいな、本気の本気モードになるまでもなかったのかと。
全盛期の中堀・高川と同じく国内ではもう本気を出すまでもないのかもしれません。



○中本選手は船水選手のプレースタイルに合わせた?

船水・広岡戦が特に顕著だったのですが、中本選手はほとんど自分から勝負を仕掛けていませんでした。

中本選手の雁行陣は久しぶりなんですが、例えば学生時代の石川・中本時代とか、NTTの村上・中本時代はもっとオフェンシブに戦っていたイメージです。

この違いはやっぱり船水選手のプレースタイルに合わせたんですかね。

船水選手が大学以降組んだ星野選手、上松選手は共に積極的に自分から仕掛けるタイプではありません。

船水選手の場合、ストローク戦で打ち負ける事はほぼ無いので、自分から仕掛ける能力よりは、甘くなったボールを確実に叩く能力、前衛側を攻められた時にディフェンスできる反応力、ダブル前衛対策のストローク力がペアの前衛には求められます。

星野選手と上松選手もその様な能力を満たしていました。

じゃあ今回組んだ中本選手はというと、やっぱり前述の能力を満たしている、稀有な選手です。

反応速度は上松選手と並ぶかそれ以上。全盛期のシノコバ対策をしていたためか、ダブル前衛相手のストロークも高いレベルにあります。

だから無理に勝負を仕掛けることなく、淡々と船水選手のプレースタイルに合わせる事に徹したのかと。



○増田・九島は敗退続きを抜け出せるか

船水・中本ペアとの激突が期待された増田・九島ペアは元三重高、早稲田のスター鬼頭ペアの前に敗北しました。
鬼頭ペアの実力はもちろん高いですが、それにしたって最近結果が出ない増田・九島ペア。
去年の始め頃は、船水・上松、丸中・長江に続いて国内3強の地位を確固たるものにすると思われましたが、さっぱりな結果が続きます。
二人の所属が違うことで練習があまりできていないのか?
社会人ソフトテニスプレイヤーは時間的成約があり、練習不足に悩まされますが、この二人もそんな問題にぶつかっているのかもしれません。
実力は未だトップクラスではありますが・・・


○番狂わせ色々

準優勝した青木・臼井ペアをはじめ、番狂わせがそこそこ多くありました。
といっても、社会人選手権に出てる選手は大体が元インハイチャンピオンとか、ナショナルチーム経験者とか、トップクラスである事には変わりないので、番狂わせと言うには少し失礼かも。

まず前述の増田・九島ペアを破った鬼頭ペア。

鬼頭さんは三重高時代、2年生でインハイ個人優勝、3年生の時は準優勝で、対戦相手は両方とも的場・宮下という高田商業の伝説的なダブル後衛ペアでした。
同カード決勝が二年連続っていうのは他には見たことがなく、あのの時のインハイは本当にドラマチックでした。

次にNTTの村上・林、東京ガスの小栗・大友ペアを破りベスト4に入った松本・菅野ペア。

菅野さんは優勝した中本さんとのペアで2007年の世界選手権の個人チャンピオンになっているベテラン選手です。
最近では何故か前衛に転向し、松本選手とペアを組んでいましたが、村上・林、小栗・大友を1で退ける強さを発揮しました。
中本選手との元ペア対決も見たかった・・・


○鹿島・星野ペア結成

井口選手欠場の影響で、急遽組まれた鹿島・星野ペア。船水・中本に続く今大会注目のドリームタッグになりました。
元々、船水選手のペアは星野選手になるんじゃないかなあと思っていたので、中本選手とのペアが発表された時は嬉しい半面星野さんが見れず残念に思っていました。
それが偶然にもこの様なドリームタッグで星野さんを見る事ができ、ラッキーだったなあと。

船水・広岡戦を見たのですが、鹿島さんの繊細なボールコントロールは健在で、広岡選手相手に綺麗なパッシングを何本か決めていました。

星野さんも、反応速度と絶妙なタイミングのポーチは相変わらず素晴らしかったです。
基本待ちに徹し、ここしかないというタイミングで鋭いランニングボレーを決める姿はまさに天才。
あんなスタイル、ファンが増えるのも納得ですわ。

ペアとしての相性も良さそうなので、また組んでほしいところです。

○NTT一強時代の終わり?

今年の全日本実業団でも破れたNTTですが、全日本社会人でもタイトルならず、ベスト4にも1ペアにとどまりました。

ここ数年が黄金期過ぎたのもありますが、水澤選手が引退し、長江、村上選手もベテランの粋に入り、世代交代の時期に来ています。

広岡、林、村田選手と若手有望株を取ってはいるものの次の黄金期は少し先になるかもしれません。


○まとめ

波乱はあったものの、全体的には大体予想通りとなった今大会。
印象付けられたのはやはりプロの道を歩んだ船水選手の圧倒的な強さでした。
日本ソフトテニス史上初のプロとして、船水選手は今年どんな成績を残して行くのでしょうか?

【格付け】日本ソフトテニス界で今最強の前衛は?

大学生くらいから30前後まで、前衛の選手は粒ぞろいなんだけど、じゃあ今最強といえる前衛って誰かと言われると難しい。
一昔前は高川さんが実力も実績も圧倒的ナンバーワンだった。
シノコバ時代は、中本選手や柴田選手あたりかなあ。
じゃあ今は?
現代の前衛には平行陣やシングルスの技術も求められるから、純粋な比較は難しい。
丸中・鈴木みたいなほぼダブル前衛しかやらない選手をどうするのかとか。
無理があるのは承知でランク付け。

○ランク

S 上松 長江
A+中本 柴田
A 丸中 鈴木 九島 高月
B 広岡 丸山 星野
C 内田 林(大)林(湧)



○Sランク(国内最強クラス)

上松選手

現時点で、誰か一人を選べと言われたらやっぱりこの選手。
中学生からナショナルチーム入りし、船水颯人選手とのペアで当時無敵の強さだったシノコバを破る快挙。

その後もインターハイ個人を制し、自国開催とはいえアジア選手権ダブルスでも頂点に輝く。国内の競合選手だけが集まる東京インドアも高校生として優勝。
昨年は遂に天皇杯も制し、大学生ながら数々の栄冠を手にしています。

プレースタイルもまさに現代型の前衛であり、シングルス、ダブルス、雁行陣、ダブル前衛全てに対応できるオールラウンダー。

特に反応の速さは特筆すべきもので、今年の全日本インドアでは、豪打林田選手のトップ打ちを幾度となくディフェンスしています。
同大会では内田選手が林田選手のトップ打ちに抜かれまくっていたので、上松選手の反応が際立ちます。

船水選手とともに、この先の日本代表の中心となるでしょう。


長江選手

長年日本の中心選手であり続けるベテラン長江選手。
30歳を超えた今も安定の日本トップ前衛の一人です。

特徴はとにかくフォームが美しいこと。
フェデラーを参考にしているというプレースタイルは、ボレー、スマッシュはもちろん、ストロークも華麗であり、洗練されています。
また、シングルスの名手でもあり、日本一を二度取っているほか、東アジア競技大会ではキムドンフンを破って優勝しています。

雁行陣が主体の上松選手と違い長江選手は水澤選手とのペア以降ほぼダブル前衛を主軸に戦っています。
今の丸中選手とのペアは、シノコバ以降最高のクオリティを持つダブル前衛でしょう。


○Aランク(代表クラス)

中本選手

NTTから福井県庁に移ってしばらくは戦績が振るわなかった中本選手ですが、天皇杯準優勝、東日本選手権優勝と、実績を重ね、遂に代表に返り咲きました。

中本選手は学生時代から華々しい活躍を見せ、2007年には菅野選手とのペアで世界選手権を優勝しています。
今の学生選手のスターは上松選手ですが、それ以上の活躍ぶりでした。

この人は一言で表すと「天才」です。

人並外れた反射神経、野生的な勘を持ったポーチボレー、世界的なバドミントン選手を彷彿とさせるようなスマッシュ・・・

全てが天才そのもの、調子の良い時は手がつけられない選手です。

特に、2007〜2010年には当時日本最強であった中堀・高川ペアと幾度となく対戦していますが、あの中堀選手がカモにされている場面が多々あります。
最盛期を過ぎてたとはいえ、中堀選手をあそこまで捉えられるのは中本選手だけでしょう。


復活したとはいえ、学生時代の最盛期にはまだ遠い中本選手。ライバルは昔の自分かもしれません。


柴田選手

今年のインドアを林田選手とのペアで圧巻した柴田選手。
中本選手とは同期であり、学生時代は東の中本、西の柴田と呼ばれ、この世代を代表する前衛でした。

柴田選手の特徴は華麗なオフェンス技術であり、スマッシュは威力、精度ともに日本一でしょう。
特にインドアでは強みが十分に発揮されます。

ちなみに、中学生時代の柴田選手を見たことがあるのですが、当時からスマッシュの技術は中学生とは思えない威力で、いまだに目に焼き付いています。

今季のインドア後はあまり結果を残せていませんが、中本選手同様完全復活が待ち遠しいです。


○Bランク(日本トップクラス)

丸中選手

長江選手とのペアで活躍する丸中選手ですが、一応後衛でもあるのでランクに入れていいのか迷いました。

ただ、後衛といっても東北高校から中央大学では鈴木選手とのペアでダブル前衛として活躍し、社会人になってからは前述のとおり長江選手とダブル前衛で組んでいます。

ほとんど並行陣での活躍が多いんですよね。
ある意味、現代的な選手かもしれません。

細い身体からは想像もできないような強烈なストローク、ボレーが持ち味の丸中選手。
身体のバネが優れてるんですかね?いつも不思議になる。


鈴木選手

高校史上最強世代ともいえる、東北黄金世代の一人ですが、この人が一番天才なのではとたまに思います。

丸中選手とは正反対の巨体からは想像できない繊細なボールタッチを得意とし、今年は初の代表入りを果たしています。

やる気なさそうなプレーもみてて面白いです。


九島選手

Bランクは東北黄金世代が3人揃いました。

トップクラスのソフトテニス選手の中では歴代屈指の顔面力を備える九島選手ですが、もちろんプレーのレベルも高いです。

ただ、社会人になってからはなかなか結果を残せていません。

実力も才能も日本屈指であると思いますので、今後に期待。


高月選手

天皇杯取って以降は大会上位には入るけどなかなかタイトルには届いてないんだよなあ・・・

攻撃的なプレーは相手後衛にとっては恐怖であり、調子が良い時はセンスあふれるプレーを見せます。

九島選手もだけど、学生時代の方が強かったなんて寂しいんで、復活してほしいんだけど、流石に期待できないかなあ。


○Bランク(若手のトップ)

広岡選手

後衛、前衛問わず若手の中心選手でしょう。昨今よく見られる高校→社会人という進路の中心的な選手です。

NTTでは2期目にして早速二番手ペアとして君臨。
上松選手同様、オールラウンドなプレースタイルですが、パワーにも優れた現代的な前衛です。

高校時代にスター選手だったこともあり、今の前衛の中では一番人気の選手でもあります。


丸山選手

広岡選手の先輩ですが、後輩に抜かされた感あり。

でもこの人のプレースタイルはセンス溢れるし、攻撃的で、見ててほんと面白いです。
メンタルに難ありかもしれませんが・・・

ちなみに、早稲田一強が続く中、早稲田以外で個人、団体とインカレタイトルを取った貴重な選手です。
去年のインカレ団体決勝三本回しはすごかった。

星野選手

怪我以降行方不明だった星野選手は日本赤十字社で発見されました。

天皇杯取ったのがはるか昔のように思われますが、やる気なさ気な独特のプレーはファンが多いです。

というか僕もファンなんで復活してお願い。


○Cランク(期待の若手)

内田選手

上松選手が同世代じゃなきゃもっと目立ってた。
しかし最近はインカレ取ったり世界選手権代表選考会で優勝したりで大活躍。
そんな矢先に不祥事で代表は辞退。

まあセンスはずば抜けてるので来年以降また活躍するでしょう。


林(大)選手

もう若手の年齢ではないね。
村上選手とのペアではいまいち結果を残せていません。

チームも、広岡選手、林(湧)選手と前衛強化を続け、そろそろ結果が欲しいところ。

林(湧)選手

インハイ決勝で優勝候補相手を大番狂わせで破り、その後2連覇を成し遂げているんだけど、未だ地味なイメージなのは名前が悪いと思います。

ただ、実力はやっぱり世代トップだなあ。

大番狂わせの相手、広岡選手と同チームになりましたが、めっちゃ期待できる若手の一人です。


○まとめ

選手の格付け楽しい!
今年が終わるころにはこのランクも色々変動しているんだろうな・・・